ノイズの種類には耳に直接聞こえる振幅が変化する振幅ノイズと、耳に直接は聞こえないが音楽信号に変調が生じたかのような変化を伴うノイズの両者があります。オーディオ用電源回路に位相の異なった電流を流した場合の音に与える影響を確認する為、家庭の分電盤メイン回路に９０度位相の進んだ電流を流し音に与える実験をしました。我が研究室は二階にあり分電盤とは離れた場所にあります。とはいっても屋内配線の長さは約十数メートル位でしょうか。電源質による音の変化を確認する目的で行った実験です。

　電気の基礎知識のある方はご存知ですが、進相コンデンサーを接続し音の変化と電源波形を確認する実験です。進相コンデンサーには電源電圧より位相が９０度進んだ電流(正確には90度より少ない）が流れますが再生音に現れる変化は大変大きな変化です。自然界には決して存在しない独特の音が現れます。（言葉では説明できない変化です　興味のある方は実験をしてみてください）独特の音とは、音が出ているときに音楽に重なって聞こえてくる大変不自然な音であり、自然界には決してあり得ない大変不快な音です。エコーが掛かった音とでも表現できる音です。

　何を言いたいのかといえば、ケーブルに使ってある絶縁物（絶縁体）は全てコンデンサー（誘電体）であり、電圧（音楽信号）が加わると絶縁物には位相の進んだ電流が必ず流れるのです。

　『電源ケーブルノイズ実験結果』から
スピーカーケーブルやＲＣＡケーブル（インターコネクトケーブル）の中でも全く同じことが起こっていて、再生音に重なって現れていることは容易に説明がつきます。スピーカーケーブルなどには電源ノイズ実験より更に顕著に現れることも容易に推測できます。ラダー型ケーブルで説明させていただいている誘電体歪現象が生じ、その歪みエネルギーは時間を経て回路に流れこみ、再生音は相当大きな変化を受けてしまいます。
　ノイズというのは決して耳に直接聞こえる振幅変化ノイズとは限らず、このような形で信号を変化させたり隠したりする働きをする変調ノイズも存在します。