オームの法則からすると伝送する電力を基に電線の太さ等が決定され、電力損失量が熱エネルギー量として姿をかえます。電力は流す電流と電圧の積であることは周知の通りですが、これに時間を積算したものが電力量となり、従って電力損失量も時間を積算した量であることは周知の通りです。よって、たとえ過大な電力であっても、時間が微少であれば電力量も微少となることも周知のとおり、もう少し具体的に表現すれば、1Ｗの電力であっても１万分の１秒の時間であれば１万分の１ワットsecとなります。

　オーディオで扱う信号波形はsin波などとは全く異なり微少な時間で不規則に正負が反転したりする、正負非対称で周期性を全く持たない信号波形です。例えばスピーカーケーブルの場合供給電力が例えば、20Ｗだからという理由にてそれなりの太さの電線を使うと仮定いたします。このことは、別ページにも記載しています

◆電線が太くなれば、表面漏洩電流が増加する（S/L比）
◆電線が太くなれば絶縁物（絶縁体）総量が増加し、誘電体歪総量が増加する
◆異種又は異質の絶縁物（絶縁体）が密着又は混在していると、絶縁物境界面又は絶縁物内部にて極めて複雑大きな誘電体損失が生じる
◆上記記載の誘電体歪みに起因する電荷エネルギーが時間を経て線路に流れ込むなど、電線の太さは音質に大きな影響を与えています。

　オームの法則やオーディオ機器の静特性だけで音の変化を理解しようとした場合、多くの矛盾に遭遇します。これは私ばかりでなく、多くの研究者の記述のなかに見られることです。かといってオームの法則や機器静特性を無視する必要はありませんが、それ以上に電線構造を含む音を変化させる原因をさぐり解決することが重要なのです。その極めて重要な課題の一つが誘電体が引き起こす誘電体歪みエネルギーなのです。ラダー型ケーブルは上記課題を解決可能な唯一の構造なのです。